Love Water―大人の味―




はい、って言うしかないじゃないか。



さっきの駅で決意した思いはどこへやら。



ダークブラウンの瞳にそんなにじっと見つめられては、困ってしまう。



そこで、はっと気づく。



「あっ……、水曜日は、予定があって……」



近すぎる部長からのけ反りながら言うと、彼は瞳で先を促す。



あたしは、朝の会話を思い出しながら言った。



「えっと……、水曜日は梨華と、ご…、しょ、食事をする約束で……」



途中でどもってしまったのは『合コン』と言う言葉を『食事』に直したから。



なんだか合コンなんて言ったら、絶対彼は眉を寄せて怒る気がした。



「梨華……あぁ、花沢か」



「は、はいっ」



身を離した部長は考えるようなそぶりを見せてからひとつ頷いた。



「先約なら仕方ない」



その言葉に、ほっと息をつく。




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