雪に届けて綴る想い
もう少しいたかったが、もう帰らないと医者が来る時間が近づいてきていた。
「あの、もう…かえります」
「もう、帰るの!?」
「はい。家は、すぐ近くなんですが、用事がありますので」
私が指した方向をみて、隆二はとても驚いていた。
「うそ、あの家!?」


まぁ、確かに驚くよね…あんなのが家だったら…


私の家は、普通の家よりでかいらしい。
私は、そんなふうに思ったことは無いけど。
「じゃ、また会えるよね!」


会えるよねか…。
会えたらいいな…。


「うん」
ただコクって頷いた。
あまり、そんな約束をしない私が初めてした約束だった。
会えなくなることはわかっていた。
でも、会いたい…その気持ちが勝ってしまった。


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