秘密の同居《番外編》
「…保健医って、どれだけ生徒と心の内を話し合えたかが重要だと思うの。
本田君があたしにこだわるのは、きっとそうしてくれる人間がいなかったから。
だから後悔はしてないんだよ。
でもこのまま避け続けてたら、あたしのいる意味が分からなくなってくと思うの。」
「うん。」
「だからってまた関わると変に噂は立つし、もうどうすればいいのか分からなくなってきた。」
「……………」
何かを考えている様な怜の表情にあたしも無言のままいた。
「そうだな…。
お前は間違ってないよ。
間違ってたのは俺なのかもな。」
「え?」
ボソッと言った最後の言葉を聞き返すと、そのまま立ち上がって着替えに行ってしまった。
だけど、怜の間違ってないの言葉に気持ちか少し晴れた。
最近少し考えてしまう。
もしも、あたしが逆の立場で生徒で怜が教師だったら?