I will be with You
「肝試し?」
時雨は賢志、大暉、仁志の三人に肝試しをやろう、ということを打ち明けた。場所は旧校舎。雰囲気的には確かに肝試しにはぴったりの場所。どうやら
学級の全員でそれを行うらしい。既に皆に話も通してあるという。
「どう?行くでしょ?」
「まぁ・・・悪くはねぇな」
そう答えると、次に仁志も肝試しに対して否定することはしなかった。
結局賢志も否定することなく、全員が参加することとなった。
「ありがと!日時は詳しく決まり次第また知らせるからね!」
そう言って、時雨と絵里はその場から離れていく。
「・・・しかし何故肝試しなんだ?」
「何ら不思議ではないだろう。まぁ・・・気になるのが旧校舎でやる、ということだけどね」
放課後。
気になった三人は旧校舎がどんな建物だったかを見に行った。
現在彼等が授業で使っている校舎からは若干遠くにあるが、行けないところではなかった。
「ほぅ・・・噂には聞いていたが初めて見たよ」
「俺もだ。何も不思議なところは無さそうだが?」
「なら大丈夫だね。さ、帰ろうよ」
その瞬間。
寒気が身体に走った。彼等三人はそこで止まるが、何も気にすることはなかった。
「寒いな」
「これから暑くなるさ。嫌なくらいにね」
夜がやってくる。
空が暗くなり、少ない数の電灯が光を放ち続けている。
風呂を入り終え、自分の部屋に戻った賢志。
デスクライトをつけ、そこに一冊の本を机の上に乗せる。
その前に、自分の部屋から繋がっているベランダに出て、空を眺める。
普段ベランダを使うことない。
物凄く綺麗に光る星が一つ、宇宙(そら)を駆けて行った。
「ん・・・?」