I will be with You
・・・時は来た。



裁きの時だ。



まだ、誰にもその存在が明らかになっていない。


暗く奇妙な空間の中で響き渡る、激しい音。


いくつもの流れが鬩ぎ合う、時間。



光を撃ち放つ雷。



「・・・お前はこの世のやるべきことを果たす者として、改造された“人間”だ」



事の始まり。

そして、全てが終わりへと向かう。


まだ真相は誰も知らない。



そこに一人の学者がいた。
眼鏡を掛け、パソコン画面を眺めている。何かをチェックしているようだ。
今度彼は休憩程度に珈琲を入れる。

「ふぅ・・・」

一息ついた、その瞬間。

また、微妙な振動がその場を揺らした。
アプリケーションに内蔵されている警戒アラームが鳴り響く。
作業の手を止め、その男は画面を見る。




暗く奇妙な空間の中で響き渡る、激しい音。


ぶつかり合う、強大な力。



「何なんだ・・・この現象は・・・?」


その頃学校は昼休み時間となっている。賢志は中庭で昼食を取っているが、そこに大暉と仁志がやってくる。

「やっぱり此処にいたんだね」
すると大暉は二人に部活のことを話す。

「そういや俺たち部活入ってねぇよな?二人は何か宛とかあるのか?」

「んーないかな」
賢志がそう答える。彼も何らかの部活に入ろうとは思っているのだが、
どこか良いか迷っているのである。

「仁志は?」
「俺も何も決まってなーい」


部活動は後々進路にも役立つだろうし・・・何かしときたいな。
でも何が良いかな。

そこへ時雨と絵里がやってくる。


「男子三人で何してるの?」

そう絵里が話すと、大暉がそれに返答する。

「いやなに、部活動何入ろうかって話をしてたのさ」
「部活かぁ・・・!何かやっておきたいなぁ」


そう時雨が答えた。時雨もまだ部活に入っていない。
自分の気持ちの整理が付いた人は、入学後一週間で決めた部活に入る、という者もいる。初めは当然部活動見学をするのだが。
時雨は話を変える。どうやら三人に話したいことがあったようだ。


「肝試し?」



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