I will be with You


山の上・・・?



一つの影がそこに降り立った。
その地方で最も高いと言われ、その国で最も険しいと呼ばれる山。
季節関係なく7合目から9合目にかけ、低温の風が吹き荒れ雪が降ると言われている場所。それゆえ誰も近付くことが出来ず、神聖な場所とも言われてきた。


そこに今、ある者がゆっくりと降り立った。


・・・。


地上からは確認できないであろう。何故か頂上のみ“雪が降らない”のである。気温も冷え込みが激しい訳ではない。ただ風が吹き、圧倒的な力の流れを感じるその場所。


「・・・見える。あの者たちは何故戦うのだ」





何故力をぶつけ合うのだ・・・。


その瞬間何かの気配を感じた。
その者は咄嗟に周りを確認する。しかし何も見当たらない。人間が頂上まで
来られるはずがない、と思ったその者は自らの気配を消してしまった。




私は何をすればよいのだ。



何を持って、“生きろ”と言うのだ・・・。



< 15 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop