パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
「フンッ、まあ1mも近付けば当然視認出来るだろうからな」


「それで小官は何をすれば宜しいのですか?」


蓮はサングラスとベレー帽を取り、髪をアップにしていた髪留めを外した。


「ゥッヒョォォウ」


流れるように腰まで落ちて弾んだ黒髪を見て、純一郎が溜め息を漏らす。


「加瀬。お前が居ると気が散るから、フンッ。さっさとレーダーの改良をして来んか! クビにするぞ!」


純一郎は「すいませぇぇぇん」と情けなく鳴き、腰を屈めて逃げ去った。


「フンッ、ダルマインコめ。では改めて……」


龍太郎はこれからパラレル・ワールドで収集する、兵器に転用可能な情報提供を条件に、陸自真坂駐屯地が擁する100kVA災害用発電機車両10台を貸与する約束を取り付けた。


< 37 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop