パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
流も棒を振り回して、派手に草を薙ぎ倒している。


「おいおい流! 危ないじゃないか」


純一郎の鼻先を掠めて行った棒は、蔦のような植物に絡まった。


「ああっ、ごめんなさい」


流がペコペコと頭を下げたその時だった。


  ピィィィィィッ


人物特定レーダーの警告音が鳴り響いた。


「な、なにぃ? 人類は存在しない世界だぞ。フンッ、加瀬! 良く調べたのか?」


「しっかり調べましたよお、動物は爬虫類位しか居ませんて」


両手の平を上に向け、欧米風に肩を竦める純一郎。


  ピッ  ピッ  ピッ  ピッ


しかし警告音は鳴り止まない。


「フンッ、お前が作った機械だからな。故障でもしたんじゃないのか?」


「そうすかねぇ……精密機械だからなぁ」


  ピピッ ピピッ ピピッ


「近付いて来てるけど、姿も全然見えませんしね。あ、コンチクショッ」


  パシン


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