屍の孤島
「いやぁ、懐かしいのぅ。梨紅ちゃんの事はテレビでよぅ見させてもらっとったよ。あの小さかった梨紅ちゃんが、ええ娘さんになってから」

男はにこやかに言う。

そんな世辞には耳を貸さず。

「ねぇ…あんたここで何してるの?」

冷ややかな声で梨紅は問いかける。

「ちっちゃい頃から可愛らしい顔しとったから、梨紅ちゃんは大きゅうなったら別嬪になるじゃろう思っとったけど」

「そんな話はいいわ、質問に答えて」

「こんなに別嬪になるんなら、桜庭さんのご両親に言うて、許婚にでもなっときゃあ良かったかのぅ、あははははっ」

「ねぇっ!」

話をはぐらかそうとする男に、梨紅は強い口調で怒鳴った。

< 151 / 199 >

この作品をシェア

pagetop