屍の孤島
今は一刻も早く脱出の経路を発見する時。

そしてまずは迫ってくるゾンビ達を振り切る時だ。

何を考えているかわからない夕映の言動を、信用すべきか否か。

奏はハンドルを握ったまま黙考する。

「……」

表情にこそ変化はないものの、真剣な顔で奏を見つめる夕映。

この島から生きて脱出したい。

その想いは奏も夕映も同じ筈。

そしてその方法を必死になって模索しているのも。

ならば。

「ねぇ!」

アクセルを踏み込み、轟くエンジン音に掻き消されないように、奏は大きな声を出す。

「そこに役場があるんだけど!パソコンあると思う?」

「……」

注意深く見ていないと気づけない程度の微かな笑みを浮かべて。

夕映はコクリと頷いた。

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