屍の孤島
奏の運転する車は猛スピードで役場の敷地内に入り、入り口前に横付けされる。

「何をするつもりか知らないけれど」

運転席から降りながら奏が言う。

「あんまり時間はないよ?急がないとまたゾンビ達に追いつかれちゃう」

「……」

夕映もまたその言葉に頷きながら、素早く車を降りる。

「大丈夫…時間は取らせません」

二人は役場の中へと駆け込んでいった。

…他の建物と大差ない役場内。

窓が割れ、書類が床に撒き散らかされ、惨憺たる状況だ。

そんな中を走り抜け、夕映は役場のカウンターの向こう側に入る。

普段は役場の職員しか入れない場所。

その机の上に、電源が入ったままのパソコンが小さく動作音だけをさせていた。

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