屍の孤島
幸いゾンビ達の動きが鈍いのは相変わらずだ。

「屋上だ!屋上に逃げろ!」

秀一の声で、三人は階段を駆け上がる。

屋上に続くドアを開け、広い屋上の隅まで移動する。

…眼下に広がる光景は、身の毛もよだつものだった。

建物の下を埋め尽くす人混み。

それら全てが亡者の群れ。

確かこの島の人口は3万人ほどだった。

もしかしたらその3万人が全てゾンビと化し、この場に殺到しているのではないか。

そう思わせるほどの群衆だった。

幾万もの白濁した眼が、屋上の三人を見上げる。

それは悪寒を感じるに十分な視線だった。

この屋上から別の建物の屋上に飛び移ろうにも、助走をつけても飛び移れそうな距離ではない。

完全に追い詰められた。

秀一、奏、夕映の三人は、ゾンビの群れによって包囲されてしまったのだ。

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