幕末純想恋歌
交差点で、信号待ちをしていた時だった。


五歳ぐらいだろうか、男の子が飛び出した!


そばには、トラックが迫ってきている。

「葵っ!!!」


自分の事など、考えることもせず飛び出し、渾身の力で、男の子を突き飛ばした!


トラックのクラクションが鳴り響いた。


辺りは、騒然となった。


男の子の火のついたような、泣き声が聞こえてきた。


しかし、飛び出したはずのもう一人の少女は……

「……葵。」










どこにもいなかった。



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