遠い宇宙の果てで
と愛美に告げ、愛美の部屋を出たところにある廊下の逆の左廊下の奥へと消えていった。ウェッテルが上下に揺れながらその後についていった。ウォールデンは深々とかぶっている帽子の下に優しさに満ちた瞳を隠し持っていた。
翌日の朝、愛美はピノを連れて机に上に置いてあった紙切れを手にし、廊下を出た。廊下のガラス窓から日の出に照らされながら大きくて壮大な滝が遠くのほうでがけを駆け下りているのが見えた。
(これが嘘っぱちの景色だなんて。)
そう愛美が思いながら手元の紙切れを見ると、ウォールデンの言った通り、次第にそこに地図が現れてきた。そこには愛美の現在地と目的地が示されていた。愛美はそれを見ながら、廊下を進み、食卓の部屋を通り過ぎてその部屋を出て階段を下り、玉座の間にいったん出て、玉座の右にある部屋に入っていった。そこは窓のない赤いカーペットの敷かれた廊下であり、明かりがついていた。その廊下をずっと進んで外に出ると、橋のかかった大きなベランダであった。風が少し強く吹いていた。橋の下のずっとずっと先には一筋の細い川が流れている。城はがけの上にあったのだった。愛美はピノのたずなを短くしっかりと持ってゆっくりゆっくりとその橋の上を歩いて行った。橋の先には明かりの灯っていないランプ灯とその先に木製の小屋があった。愛美はなるべく下を見ないでそのランプを見ることにしていた。ピノは下を見ながら平然と歩みを進めていた。愛美は橋の先のがけにたどりつくと、小屋の扉にノックをした。すると、すぐにウォールデンが扉を開けた。そばでウェッテルが浮遊していた。
「来ましたな。中へお入り。」
翌日の朝、愛美はピノを連れて机に上に置いてあった紙切れを手にし、廊下を出た。廊下のガラス窓から日の出に照らされながら大きくて壮大な滝が遠くのほうでがけを駆け下りているのが見えた。
(これが嘘っぱちの景色だなんて。)
そう愛美が思いながら手元の紙切れを見ると、ウォールデンの言った通り、次第にそこに地図が現れてきた。そこには愛美の現在地と目的地が示されていた。愛美はそれを見ながら、廊下を進み、食卓の部屋を通り過ぎてその部屋を出て階段を下り、玉座の間にいったん出て、玉座の右にある部屋に入っていった。そこは窓のない赤いカーペットの敷かれた廊下であり、明かりがついていた。その廊下をずっと進んで外に出ると、橋のかかった大きなベランダであった。風が少し強く吹いていた。橋の下のずっとずっと先には一筋の細い川が流れている。城はがけの上にあったのだった。愛美はピノのたずなを短くしっかりと持ってゆっくりゆっくりとその橋の上を歩いて行った。橋の先には明かりの灯っていないランプ灯とその先に木製の小屋があった。愛美はなるべく下を見ないでそのランプを見ることにしていた。ピノは下を見ながら平然と歩みを進めていた。愛美は橋の先のがけにたどりつくと、小屋の扉にノックをした。すると、すぐにウォールデンが扉を開けた。そばでウェッテルが浮遊していた。
「来ましたな。中へお入り。」