遠い宇宙の果てで
「それってまさか本物じゃ・・・。」
「もちろん私が作った幻想にすぎない。」
「それが私を攻撃するってことは・・・。」
「ない。」
愛美は
(それを早く言ってくれ。)
と思いつつもふうと安堵の溜息をもらした。ウォールデンは一度深呼吸をすると、両手を空に向かって大きく広げ、天の方に顔を向けて再び複雑な呪文を唱え始めた。すると、急に灰色の雲が青い空を覆い始め、草原は砂漠へと変化し、空はついには雷がごろごろいう、不気味な空へと一変した。その直後、空からなにやら生き物の悲鳴が聞こえ始め、砂漠の先には動物のうなり声がした。愛美は恐怖で足が震えだした。
「大丈夫だ、ゲームみたいなものだ。」
ウォールデンは愛美の肩を優しくたたいた。愛美は杖を握りしめてうなずいた。愛美の視線の先に黒いかげが見えた。
「まずはLV1、ケルベロスだ、誇り高いシロライオンの賢者が凶暴化したやつだ。そいつに向かって杖を振りながら呪文を唱えるんだ!!」
愛美はうなずいた。砂漠から霧が立ち退くと、そのケルベロスが愛美に向かって一目散に走ってきた。目はむきだしで肋骨が皮膚から見えていた。愛美は勇気を振り絞って杖をそのケルベロスに向かって振りながら
「リターナス!!」
と叫んだ。しかし魔法がきかず、そのケルベロスは愛美に襲いかかってきた。愛美が恐怖で目を閉じるとケルベロスは愛美の体を素通りしていった。愛美が目を開けると、そこは元通りの青空のもとの草原となっていた。
地面に腰をついている愛美の目の前には腕組みをしたウォールデンが突っ立っていた。そしてケラケラ笑っているウェッテルを差し止めた。
「あれ??私全然だめ・・・。」
ウォールデンは優しいまなざしで愛美に
「最初はそんなものだ。」
と声をかけた。そして手を差出し、愛美を草原の上に立たせた。ピノは愛美のポケットの中でうずくまっていた。
「本番は私が君にバリアをかけるけれど、体力はどんどん奪われる。だから心配しなくていいが、君が魔法を使えなくてはこの戦には勝つことはできないということは、承知していてくれ。」
「もちろん私が作った幻想にすぎない。」
「それが私を攻撃するってことは・・・。」
「ない。」
愛美は
(それを早く言ってくれ。)
と思いつつもふうと安堵の溜息をもらした。ウォールデンは一度深呼吸をすると、両手を空に向かって大きく広げ、天の方に顔を向けて再び複雑な呪文を唱え始めた。すると、急に灰色の雲が青い空を覆い始め、草原は砂漠へと変化し、空はついには雷がごろごろいう、不気味な空へと一変した。その直後、空からなにやら生き物の悲鳴が聞こえ始め、砂漠の先には動物のうなり声がした。愛美は恐怖で足が震えだした。
「大丈夫だ、ゲームみたいなものだ。」
ウォールデンは愛美の肩を優しくたたいた。愛美は杖を握りしめてうなずいた。愛美の視線の先に黒いかげが見えた。
「まずはLV1、ケルベロスだ、誇り高いシロライオンの賢者が凶暴化したやつだ。そいつに向かって杖を振りながら呪文を唱えるんだ!!」
愛美はうなずいた。砂漠から霧が立ち退くと、そのケルベロスが愛美に向かって一目散に走ってきた。目はむきだしで肋骨が皮膚から見えていた。愛美は勇気を振り絞って杖をそのケルベロスに向かって振りながら
「リターナス!!」
と叫んだ。しかし魔法がきかず、そのケルベロスは愛美に襲いかかってきた。愛美が恐怖で目を閉じるとケルベロスは愛美の体を素通りしていった。愛美が目を開けると、そこは元通りの青空のもとの草原となっていた。
地面に腰をついている愛美の目の前には腕組みをしたウォールデンが突っ立っていた。そしてケラケラ笑っているウェッテルを差し止めた。
「あれ??私全然だめ・・・。」
ウォールデンは優しいまなざしで愛美に
「最初はそんなものだ。」
と声をかけた。そして手を差出し、愛美を草原の上に立たせた。ピノは愛美のポケットの中でうずくまっていた。
「本番は私が君にバリアをかけるけれど、体力はどんどん奪われる。だから心配しなくていいが、君が魔法を使えなくてはこの戦には勝つことはできないということは、承知していてくれ。」