超イケメン☆ホストクラブ【番外編】
――その背中に、突然、

「夏目さん!」

と、呼びかけられた。

あの教師の声とは違うことを確認して、ゆっくりと振り向いた。

「三日月…先生……」

メガネの奥のやさしげにも見える眼差しに、泣いてしまいそうにもなる。

「夏目さん…」

もう一度呼びかけて、三日月がツカツカと靴音を響かせて歩いてきた。

泣くのをなんとかこらえ、廊下に立ちすくむ私の正面へまわると、

「……ネクタイが、曲がっていますよ」

と、言って、薄く微笑んだ。
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