可愛くてごめんなさい。
連れて行かれたのは、


道場らしき場所だ。


ん?待てよ。
校舎裏に確か弓道部があるって…
そうか、弓道か!!



道場に入ると、パッとつかまれていた腕を離された。




……………………



物珍しそうに道場を見ていたら、
急に大声が響いた…





「おらぁ!
さっきここで練習してた1年はどうした?
全員ここに並べ!!」




すると、瞬く間に4人ほど並んだ…




「なんで怒ってるか分かるか?
俺が持ってるこの矢を見ろ!

てめぇらはふざけてんのか?!遊びでやってんだったら今すぐ出てけ!!」




(ふーん。
熱いねぇ…
1年がすっかりびびってんじゃん)




「この矢がさっき……

名前…なんだっけ?」




くるっ
と私の方を振り向いて訊いた。



「…あっ、
1年の御堂です。」




そっか。
と言ってまた怒鳴り散らした。

「さっき御堂に当たりそうになったんだぞ!!
危ねぇだろうが!!」



(あ…
心配してくれたんだ…)



「すいませんでした!!」



素直な部員たちはすぐに頭を下げて謝った。



「ちゃんと御堂にも謝れ。」


(厳しいなぁ
てか、恥ずかしいんですけど…)


部員たちは私の方を向き、
深々と頭を下げた。


「あっ
いえ。気にしてないんで…
ちょっとびっくりしましたけど…」



(うわぁ、
やりにくい……)
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