禁断愛 母と悪魔の子


悪魔は一番体が動く外見になれば成長は止まるらしいが、ここのところキストに大きな変化はない。


ウィリアムと同じく、ずっとこのままでいるなんて、老いていく私にとっては羨ましい限りだ。


「どこに行くの」


いつまでも森を歩く人に問いかける。


紅葉が目立つ森、リスも冬眠のために食糧を貯蓄する忙しい季節。キストは私に何かを見せたいらしく、この森まで導いていた。


ある程度、歩いたところで止まる。


そこにあったのは大きな岩だけで、ニコニコキストはどうやらこれを見せたかったらしい。


「岩……?」


が、見る私にとってはハテナを浮かべる代物だ。


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