禁断愛 母と悪魔の子
「どう?」
「……」
どうって言われても困る。
笑っていたキストも私の顔と同じ困り顔になる。
「見て念じるだけで切れるんだ。好きな部分を、細かにだってできる。これさ、凄いことだよね。偉い?」
「偉い……かな」
「……?だって、この力があれば母さんを守れる。どんな奴からもね」
安心して、の意を持つものらしい。
確かにこんな力があれば、どんな危険からも私を守れるが――明らかにこれは、何かを“殺す力”だ。
親として、我が子にそんな力を連発させるのは気が引けるが。
「母さん、俺また母さんを守れるようになったよ」
ルンルンな我が子には涙目だ。
また、とは私より身長と腕力が強くなったときをさしているんだろう。
父親がいないからか、自分が母親を守るとキストはいつも何かしらの鍛錬をしている。
いい子に育ちすぎた。
そんな力使っちゃだめとはいいにくいぐらいに。