禁断愛 母と悪魔の子


(二)


その日、来客があった。



「リディアさん、こ、こんにちは!」


玄関先、小さな花束を掲げる彼は郵便局に勤めるコールさんだ。


「こんにちは、コールさん」


「あ、あの、良ければこれを」


差し出された手紙と花束を受け取る。


花束に名前がないとこを見ると、どうやらまたコールさんからの贈り物らしい。


「コールさん、お花……」


「あ、あの、貰ってください!街で安く花が売っていたんで、ぜひリディアさんにも……っ」


「安くって、もう季節的にも花の値段はあがっているはずじゃあ」


「っっ、や、安いんです!だからっ……」


顔を真っ赤にしたコールさんはなんだか可愛い。


夏からずっと――郵便局に勤め、私宛ての手紙を届けるあの日からコールさんは花をプレゼントしてくれる。


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