禁断愛 母と悪魔の子


(三)

キストと寝るのはいつものことだけど。


「キスト、息苦しいよ」


「ああ、ごめん」


密着しすぎるのはいかがなものか。


私が言えば、すぐに解放してくれるけどしばらくすればまた抱きしめてくる人。


冬はいいけど、夏になったらどうしようかと考えものである。


「ねえ、キスト。そろそろ自分の部屋がほしくない?」


「要らないよ」


「でも」


「要らない。僕はまだ母さんと一緒がいい」


頑固だ。

いい大人なんだからと言いたいが、悪魔たるキストの年齢は実質四才。まだ親と一緒にいたい年齢だ。


でも四才の割にはなんでもそつなくこなし、知識だって大人顔負けなほど頭がいいのに。


今度ハザマさんに聞いてみよう、と思ったときだった。


「母さん」


キストが口づけをしてきたのは。軽いものだ、子供のころからしてきたおやすみのチューなのに、今のこの子相手だと複雑な気持ちになる。


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