禁断愛 母と悪魔の子


(四)


朝起きたとき、隣にキストはいなかった。


ぼうとした頭でどこに行ったんだろうと部屋を出れば、どこからともなくいい匂いが。


匂いをたどる犬みたくよたよた歩けば、食卓の間。


「おはよう、母さん」


朝日に似た清々しい笑顔をまくキストが紅茶のポットを机に置きながら出迎えてくれた。


机には既に朝食ができあがっている。


トースト、スクランブルエッグにサラダ。


キストが用意したんだろう、ありがたい。


「おはよう」


「うん、さあ座って座って」


さりげなくおはようのチューをした彼は椅子を引く。


レストランにでも来たみたいだ、至れり尽くせりすぎる。


カップに注がれた紅茶を飲み。


「アールグレイ」


「当たりー。さすがは母さんだ」


軽い会話をしてキストも席についた。


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