禁断愛 母と悪魔の子
まだ頭が覚醒しきれてない様子を笑われながらも、食を進めようとしたけど。
「あれ……」
朝食に違和感を覚えた。
違和感――というよりも、キストの席前にある朝食に。
「朝からお肉?」
しかも手羽先。
胃がもたれそうなメニューには少し疑問を覚える。
「ああ、なんか食べたくなっちゃって。母さんもお肉がいい?」
「ううん。私はこれで丁度いいけど」
もたれない?と聞く前に、キストはぱくりとお肉を食べていた。
うん美味しいという顔にはもう何も言わない。
「そうだ。お花かざったんだけど。どう?」
食卓にはキストがかざったという花があった。
見覚えあるのは、昨日コールさんから貰ったものだから。
「きれい……」
なのに、どこか寂しげな感じがした。
なんでだろうか。
キストなんか綺麗な花と美味しい食事に満足げにしているのに。