禁断愛 母と悪魔の子
そう思っていれば。
バタンと大げさに食卓の扉が開かれた。
驚いてみれば、そこにいたのはハザマさん。
黒い羽――いつもは体内に閉まっている羽を出しぱっなしのまま、どこか切羽詰まった表情をしていた。
「ハザマさん……」
私が名を呼べば、彼の表情が緩む。
良かった、言わずとも分かるそんな顔。
「リディア。少し、話がある」
「……。キスト、ちょっと席を外して」
物々しい雰囲気から私が出した言葉。
キストはむっとしながらでも、言うことは聞いてくれる。
ただ。
「ハザマ、母さんに触れるなよ」
ハザマさんとすれ違いざまにそんなことを言っていた。
しまった扉を確認するなり、私はハザマさんに近づく。
大丈夫?、と問えば、大丈夫と言われたんだけど。