禁断愛 母と悪魔の子
「無事ならいいが、用心を怠るなよ」
「その点は……キストがいるから大丈夫だと思うけど」
今やキストは成人男性体系だ、もしもの時は私より頼りになるだろう。
ハザマさんとて承知か、頷いてすぐに出ていこうと。
「――」
止まった。
目線の先にはテーブル。
「どうかした?」
「いや……。行ってくる。気をつけろよ、リディア」
ふいっと目線を外して、ハザマさんは部屋から出て行く。数秒後にキストが中に入ってきた。
「母さん。ハザマ、なんて?」
「だからハザマさんだって言っているでしょう?――何でもない、キストは気にしないで」
「気になるよ。羽付きのままハザマが来たんだ、何かあったんだろう」
「……」
負けた。
どのみち、キストにも話さなきゃいけないか。
ハザマさんに言われたことを言えば、キストは驚いたような表情になる。