禁断愛 母と悪魔の子
ハザマがいた。
何やら深刻な面もちを見ると――
「“門”とやらはどうだったんだ、見に行ったんだろう?開いていたのか」
「いや、あいてなどいなかったよ」
「そう。なら、街で起きたのは悪魔に見せかけた殺人だな。人間は小汚い生き物だから」
「お前の母親もか」
「ふざけるなよ。彼女が汚いはずがないだろう。あくまでも彼女以外の人間だ。
綺麗すぎて神秘。美しすぎて美麗。優しすぎて優愛。もはや人間とは言えない、もっと上の位にいる人なんだ」
「だからか?」
ハザマがキストとの距離を詰める。
「だから殺したのか。リディアに近づく人間を」
「……、ハッ」
キストが笑ったとこで、ハザマの歩みが止まる。
「ひどいな、ハザマ。僕が?殺した?コールを?どれだけお前は悪魔のせいにしたいんだ。お前も同種だろうに」