禁断愛 母と悪魔の子
瞬間、ハザマの腹部に大きな切り傷ができた。
深い。
ごふっ、と膝をつきながらハザマはキストを見上げる。
「母親だから、“なんだ”?」
極上の笑顔を見せるキストが月をバックにそこにいた。
「愛したいという感情は間違いなのか?では、愛するとはなんだ?この愛を成就させたいと思って何が悪い?」
「その上で犠牲を出すのは果たして愛なのか」
にいと笑う口が更に避けた。
「愛に決まっているだろう。愛、愛、愛愛愛!全部彼女のためだ。彼女に触ろうとする下劣な生物を処分して何がいけない」
もはや、隠すつもりなどなかった。
どうせバレバレなんだろうから。
「あの日の食卓も……」
「ああ、美味しくいただいたよ」
「お前……!自分が何をしているのか」