禁断愛 母と悪魔の子
「分かっているさ、分かっているからこそ、したんだ。そうして、今もそう」
ふいっとキストの目が彼女が寝ているであろう寝室に向いた。
「もう時は満ちた」
「我慢の限界の間違いなんじゃないのか……っ」
痛むも死にはしない傷にあえぐハザマだが、ここで弱音を吐くわけにはいかない。
「リディアはやらさせない。キスト、分かれ。お前は彼女とウィリアムの間にできたたった一人の子供なんだぞ」
「だからこそだ。だからこそ……僕の気持ちは報われないと知っている。でもどう諦めろって?はっきりとした気持ちはこんなにも形付いているのに」
「キスト……」
笑っていた顔が曇る。
「母さんだってきっと悲しむことも知っている」
「なら」
「だからこんな手を使うんだ。彼女が悲しまず、そうして僕を愛してくれる唯一の方法を……!」