禁断愛 母と悪魔の子
差し出されたものを受け取る。私、キスト分。
ありがとうと言えば微笑む彼だった。
「タイミング良すぎだね」
「そりゃあ、毎日のようにホットミルクを作っているからな。味はどうだ」
「うん、上出来。ハザマさんは飲まないの」
「甘いのは舌が好かんからな」
軽く舌を出す人には笑う。
そんなことをしていれば、意味ありげにハザマさんも笑った。
「なに」
「いや、笑うようになったなと思ってな。前みたく、ウィリアムがいたときみたいに」
「……」
「すまない、嫌なことだったな。だが、キストを産んでも無表情だったお前がここまで変わるとは思わなかった」