禁断愛 母と悪魔の子
いてと言えども、私はこの屋敷の主だ。
いてもたってもいられずに、キストの待っても聞かずに外に飛び出した。
無表情な人たちが並び、私を見つめる。
「あの……、何か」
ご用ですかと言いかけたら、警官隊の代表か金髪の人が一人前に出た。
「“首だけ事件”についてはご存知で?」
「ええ、知ってますが」
何か?の声に、母さんっの声が重なった。
キストが慌てた感じで私の前に立ったのだが――同時に警官隊が一斉に鉄砲をこちらに向けた。
息を呑む。
狩りの鹿になったような気分を味わい、身を固める。
「貴様ら……」
「キスト・ファンベル。同行してもらおう」
「どうしてキストが……!」
「同行してもらう」
有無とも言わさぬセリフ。
でも納得できるわけがない。