禁断愛 母と悪魔の子


「どうしてですか!」


「……」


「キストが……悪魔だからですか」


「連れていけ」


顎で仲間を使う金髪の人。


二人ほどこちらに向かってくるが、私がキストに近づけさせまいと前に出る。


悪魔狩りだ、これは。


首だけの死体という悪魔の仕業に見紛えた死体が出てきたせいだろう。


悪魔は偏見がある。でも、世界に平和をもたらしたウィリアムの子ということで今までキストは大目に見られていたのに。


「待ってください、キストがそんなことするわけがないです……!」


「署で話を聞くだけです、リディア氏。そこをどいていただきたい」


「だったら、なんで鉄砲を構えるんですか。行かせません、キストは何も」


「母さんっ、あぶ――」


危ないと言おうとしたんだろう。


キストの目にはきっと警官隊二人が邪魔する私の腕と肩を掴んだだけの光景が映ったはずだ。


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