禁断愛 母と悪魔の子
瞬間だった。
キストの腕が伸びてきたのは。
「あっ……」
首を絞められ、た。
「泣くなって、言ったよな、俺」
先ほどとうって変わった冷酷な声。
「き、……と」
「ひどい。ひどいひどいひどい……!どうしてだ、俺は君を守るためにやったのに、どうして咎められるんだ!」
立っていられず、その場に倒れ込むもキストの指は首を絞めたまま。
背中と後頭部に冷たい感触を感じながら、首は温かい指の圧迫を感じる。
「ずっと愛していた。無償の愛を注いで、君が笑うならと自分を偽り、ああしてよい子を演じていたのに……!なんでだ……、ねえ、なんで……。なんで嫌いだなんて言うんだよ、ああ!」
「は、っ……」
「母さん……、リディア、俺、君を愛しているんだよ。ずっとずっと、産まれたときから。なのに、あんなこという舌なんていっそ削いでしまおうか?
ねえ、好きだっていってよ。大好きだってさぁ!」