禁断愛 母と悪魔の子
悲鳴をあげた。
恐怖の塊をおしのけ、来ないでと叫ぶ。
「やだ、いやあぁぁ!」
「どうしたんだ、リディア」
「やめっ、呼ばないで!」
キストとウィリアムが重なる。
体中に鳥肌が立ち。
――なんかもう訳が分からなくなった。
極限に達した発狂。
流れ出ていたシャワーを見つけ体を洗った。
落ちない、落ちない落ちない――!
キストがなめた首。昨日やられてしまった体。
汚れなんか見て分からないけど――胸元にあった淡い赤色した痕を今更ながらに気づいてしまった。
「なんで……っ」
「落ち着きなよ、ほら、あの腐った生ゴミの血はもう落ちたから」
勘違いしているキストには目もくれずに、体をシャワー流した。
禁忌を犯した体。
汚くてたまらないと思った。