聖夜の夜に……
生気の戻ったえりちゃんとは対照に
ぼくはガクンと体中の力が抜けるのを感じた。

そして、すうーっと
見えない力で天空へと引っ張られて行った。

どんどんとえりちゃんのいる病院も
雪をかぶった白い街も小さく見えなくなっていく。

背中に生えていた羽はもうすでに、消え始めていた。


ぼくが住んでいた天空よりも
はるか上へ上へと昇っていく。
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