禁断〜家族Game〜

「でも無視は良くないよ。」

「うん・・・」

「古賀先輩にちゃんと言いなよ。自分の気持ち。」


スタスタと速足で教室まで歩いていく菜智の後ろ姿を追う

一見冷たいと感じる菜智の言葉。でも玲にはそれが菜智の優しさだと感じていた。

きちんと別れを告げなければ、古賀先輩だって苦しい。

古賀先輩が苦しければ、玲だって辛いし、いつまでも前には進めない。それが菜智には分かっていた。


菜智は親友


菜智が大好き


それだけに大好きで親友の菜智に嘘の理由で相談に乗ってもらうことが玲には寂しくて、辛かった。


「あ・・・」

菜智の足が急に止まった


「どうし・・・あ・・・」

菜智の肩越しに顔を出した玲の表情が暗くなる


「古賀・・・先輩・・・」


玲の教室の前でもたれ掛かっている古賀先輩がいた

明るい髪に3連ピアス

少しだけヤンチャなイメージの古賀先輩は柑とは真逆のタイプだ


「やっと来た・・・」

古賀先輩は俯き加減だった瞳を玲へと向けて笑った

でもその笑顔からは、怒りともとれるなんともいえない雰囲気を醸し出していた




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