禁断〜家族Game〜

「ごめん、一ノ瀬さん。ちょっと玲借りてもいい?」


「あ・・・の・・・」


菜智が心配そうに玲を見る

でも玲は大丈夫と頷いて、先輩の後ろを着いて行った

これ以上引き延ばせない。逃げてばかりいるならちゃんと先輩に向き合おう。


告白してくれて、楽しい時間をくれた古賀先輩。

帰り際にほんの少しだけ躊躇いがちに重ねた唇
いつだって気遣ってくれた。

見た目と違って誠実で優しかった先輩を裏切ったのはアタシなのだから・・・・



先輩の足は誰も居ない階段の下で止まった


ひんやりとした空気が玲と古賀先輩を包む

「ここでよく待ち合わせたよな。」

「・・・・・」

この場所は先輩と二人の時間を多く過ごした場所

玲はどんな顔をしていいか分からず、ただ俯いているしか出来ないでいた


「冬休みに入る前まで普通だったのに、今俺の事避けてるよな。」

何を言われるか分かっていたはずなのに、面と向かって言われると動揺せずにはいられない

返事・・・

返事をしなくちゃ・・・


言わなくちゃいけない。それなのに言葉が出ない。

俯いている瞳をさらに下へ向けるしかなかった



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