【短編】君に捧げる『物語』
「どう?感想は」
ノートから顔を上げると、そこにはこのノートの持ち主、塚本由愛がいた。
彼女越しに時計で時間を確かめると、既にあれから一時間がたっていた。
結構な時間物語に入り込んでいたらしい。
「ん、面白かったよ」
「どうも」
僕はもう一度ノートに目を通してみる。
「でもこれ子供むけじゃないよね。僕的にはこっちの方が良いけど」
「馬鹿ね、最近の絵本は親も読むのよ。
…それに、この物語は趣味で書いただけだから作品じゃないわ」
ふーん…
それにしては結構手の込んでいる。
それになんかやけにリアリティな……