御退散
すでに日も暮れた夜の8時くらいであった。周りには人影はなく、家々の提灯だけが頼光一行を暖かく迎えてくれる

そのとき、一瞬、風が吹いた。

そして、風が吹きやんだと同時に頼光一行の目の前には黒い人溜まりのようなものがあった。

近づくにつれ、その模様がはっきりとしてくる・・・

そこには、中央に酒呑童子、その左に茨木童子と大天狗、右には玉藻前がおり、またそれら幹部陣をカラス天狗と悪鬼が取り巻く形で妖鬼一族がいた。

ちなみに大天狗と玉藻前は家老である。


季武:何者だっ!!

季武が言うと同時に懐の手裏剣に手をかける。また、ツナは弓矢を、金時は金剛オノを構え、頼光は名刀安綱の柄に手をかける。

玉藻前:なんじゃカラス天狗。灯台鬼を倒したという者たちは、こいつらかえ

カラス天狗:カァっ!!間違いございません。


玉藻前が目で微笑みながらいう。


金時:敵にはおなごもいるでごわすか・・・

ツナ:ですが、気をつけて下さい。なんかの妖怪の化身に違いありません。


カラス天狗の言葉を受けて茨木童子が口を開く。


茨木童子:確かに・・・腕が立つのが何人かいるようだ。

酒呑童子:貴様らっ!!よくも我が家臣の灯台鬼を倒してくれたな・・・その代償は高くつくぞ・・・

頼光:・・・。


頼光は刀の柄に手をかけたまま動かない。それぞれ武器を手にしている頼光一行とは裏腹に、妖鬼一族は全く構えていない。
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