時雨の奏でるレクイエム
帝都には多くの兵が常駐していた。
王国との戦争で兵がたくさん作られているようだった。


ラディウスはアルミナとどう連絡をとるべきか悩んでいた。
自分の幻獣としての力がどういったものなのかはわからないし、帝国兵に聞いてもリオー砦のように無礼だとかなんだとか言われるのは目に見えている。

「未来を見ればいいんじゃないかな」

「未来?」

「うん。このさき、アルミナと関わるのなら、アルミナがどこにいるのか、わかるはずだよ」

「でも、未来なんてどうやって見れば……」

「見ようと思えば見れるんじゃないかな」

「……」

見ようと思って見れるのなら、とっくに見えてると思う。
ラディウスはこれでも、コウサから帝都までずっと自分の力について考え、思いついたことを実行してみたが、どれも上手くいっていなかった。
還っていったリリスはなんのヒントも与えてくれなかったので、今のラディウスにあるのは自分が幻獣になったという、事実だけだったのだ。
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