放課後姫とヤンチャな騎士

「剛志の周りって、いつも賑やかよね？」


乃里子は右足で海水を蹴り上げた。


「…は？」


剛志は怪訝そうな顔で、乃里子を見つめた。


「さっきの皆も、繁華街の皆も、陽太や未来も…」


乃里子は少しだけ目を伏せた。


「…お前だって同じだろ？」


剛志が軽く微笑むと、乃里子も少しだけ微笑んだ。


「…友達だもんね、やっぱり…」


乃里子は赤く染まった空を見上げながら呟くと、クルリと剛志に向き合った。


「ありがとう、剛志♪
おかげでスッキリした。」


剛志には言葉の真意が分からなかったが、乃里子の満足気な表情にホッと息を吐いた。


「ありがとうついでに…
もう少し付き合ってくれない？」


乃里子は優しい微笑みを浮かべた。