放課後姫とヤンチャな騎士
陽太から借りた本を読み終わり、剛志は空を見上げた。


校舎内では生徒がザワザワと行き交っている。


携帯を見ると、時刻は十二時半。


昼休みの時間だった。


剛志は鞄の中に本を入れ、屋上の壁に立てかけた。


変わりに朝買ったパンとコーヒーを取り出し、校舎を見つめながら昼食を取った。


人が溢れる校舎。


笑顔で廊下を歩く生徒。


「…なんの為にいるんだよ…」


剛志はぽつりと呟くと、パンを一気に口に入れ、コーヒーで流し込んだ。


「…帰るか。」


鞄を持ち屋上を後にした。


クラブ棟には人気がない。


剛志は立ち止まると、クルリと方向を変えた。


三階の一番端の部室。


『新聞部』
< 31 / 219 >

この作品をシェア

pagetop