放課後姫とヤンチャな騎士
『あら、お父様でしょ?』


剛志は幼い頃に両親を亡くし、祖父の養子として引き取られた。


見知らぬ街で、一番最初に剛志に声をかけてくれたのが梓だった。


『…じいさんはじいさんだろ…』


『そんな風に言っちゃだめよ?
剛志のお父様なんだから。
それに、私がお母様なんて嬉しいでしょ?』


梓は優しい笑顔を浮かべながら、剛志の手を取った。


『私は剛志の家族になれて嬉しいわよ?』


その時の笑顔は今でも忘れられない。


「家族なんじゃないのかよ?」


剛志が言うと、梓は嬉しそうに微笑んだ。


「もちろん家族よ?
剛介さんも剛ちゃんも大好き♪」
< 34 / 219 >

この作品をシェア

pagetop