放課後姫とヤンチャな騎士
「…なら、帰って来いよ。」


剛志は呆れながら頬杖を着いた。


「それとこれとは話しが別よ♪」


梓は自分のコーヒーを入れると、愛用しているマグカップで飲んだ。


「…まだ使ってんのかよ。」


「当たり前でしょ?
剛ちゃんが誕生日にくれたカップなんだから♪」


梓は嬉しそうに微笑んだ。


「…頑固だなぁ。」


「あら、お互い様よー♪」


剛志はため息をつくと、本を開いた。


梓はカウンターの片付けを始めた。


時計が静かに時間を刻んだ。



「梓は元気だったか?」


剛志が帰宅すると、剛介は居間でみかんを頬張っていた。


「…心配してるなら自分で見に行けば?」


剛志が梓を心配しているのを知っているからか、剛介はからかうような笑顔を浮かべている。


剛志は呆れたような、面倒そうな声で答えた。


「そうじゃのぅ…」
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