教室バロック
昼近くになり
廊下を走って、教室に伝令がやって来る
「 おい!真木! 照明着いたってよ! 」
「 了解!
野郎ども! 四、五人 手ぇ貸せや!!
女子はあぶねえから来んなよ! 」
声をあげながら立ち上がる男子
女子は
床にあった雑多なモノを片しながら
窓に暗幕を張る用意
裏門に走ると、
見張りをしていた柏が車の中から
機材を降ろすのを手伝ってくれた
教室に戻ると
すっかり暗幕の用意は出来ていて
普段、黒板のある辺りには
教壇がいくつも敷き詰められていて
壁前面 湯浅の描いた、京の街中の風景
リハーサルをしながら
照明の調整を開始した