いつかのMerry Xmas
わかんない。
どうしてこんな自己中野郎にファンクラブまであるのか、なんて。

顔意外に、どっか一個でもいいところがあるなら、私に教えて欲しいんだけど。

それとも、私以外の全ての女性に優しいのかしら。
――きっとそうだわ、そうに違いない。

「あー、もう。
 いいからさっさとリハに向かって。さやちゃん泣きそうだったんだから」

とはいえ、私の言葉に従うような男じゃない。仕方が無いのでイチローの手を引っ張って、会場に連れて行く。

まとわりつく、羨望に近い視線が鬱陶しいけれど、そんなこと気にしている場合じゃない。

「さやちゃん。この馬鹿つれてきたわ」

ステージ上では、もう、リハが始まっていた。
が、それまで不安そうな顔をしていたさやちゃんは、イチローの姿を見ただけで、ものの見事に笑顔になった。

眩しいと言う言葉がぴったりの、極上の笑顔。

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