いつかのMerry Xmas
「おはようございます、早瀬さんっ」

私はイチローの手を離す。
イチローは伸ばされたさやちゃんの手を掴まないまま、ステージにあがる。

簡単な打合せのあと始めたリハでのコーラスは、それはもうぴったりと息の合う綺麗なものだった。

そのあと、自分のリハに間に合うように、目を真っ赤にしたかっちゃんもやってきた。

「クリアできたの?」

仕方が無いので、聞いてあげる。

「いや――まだ。
 怜は、クリアできたって?」

「知らないわよ、そんなの」

他人のゲームの進み具合に、興味なんてあるわけがない。

「でも、来てるってことはクリアできたんだろうなー、ああ、むかつく」

かっちゃんは割と真剣な顔でそう呟いていた。
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