いつかのMerry Xmas
部屋に入ると、たくさんのプレゼントが、ごちゃごちゃと置かれていた。

「本当に人気者なのねぇ」

私がお茶を作っている間に、イチローはそれを綺麗に並べなおしていた。

「開けないの?」

「気が向いたら」

「冷たいなぁ」

「そんなことないよ。
 じゃ、今からこれ一つずつ開けて一人ずつにお礼の電話でも入れようか?」

頭が痛むのか、左手で頭を抑えながらイチローは投げやりに言う。

「――飲みに来て下さいって誘われるわよ?」

「――行けたらね――」

行く気なんてないくせに、言葉だけは口当たりが良い。

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