いつかのMerry Xmas
そのうち、イチローは、こたつにうつ伏せになってうつらうつらとしはじめた。

とりあえず、これで私の任務は完了だわ。
背中にそっと、イチローがさっき脱いだコートをかける。

エアコンマックスにしておけば、風邪引かないよね、多分。

「おやすみ」

そっと囁いて立ち上がろうとした瞬間。
ものすごい速さで手を掴まれた。

予想もしない突然のことに、バランスを崩して倒れこむ私を、イチローは器用に抱き寄せた。

「――こんな夜に、俺を一人にして帰るつもり?」

艶のある声が耳を擽る。


――コイツ、酔っ払いすぎて私のことまどかちゃんと勘違いしてる――?
< 64 / 83 >

この作品をシェア

pagetop