続・女好き彼氏


────────…


走って、走って、走って………


先生に怒られても
みんなから変な目で見られても


あたしは悠雅が向かったと思われる保健室に急いだ。


息が切れて、息苦しいことなんて忘れて


ただただ、悠雅のことばかり考えて
前だけを見て走りつづける。


悠雅、嘘なんだよね?


彼女が出来たなんて
海哉くんの悪い冗談なんだよね?


もう、あたしと関わりたくないなんて……


そんなこと、思ってないよね?


悠雅──────…。


痛む自分の心を抑えてあたしは保健室に向かう。


そして、やっと自分で息苦しいとわかったとき
あたしはやっと保健室に辿り着いた。


荒い自分の息を整えるために
何度も何度も大きく深呼吸をして
保健室の扉をじっと眺める。



ここに、悠雅はいるんだよね?


バクバクと暴れる心臓。

震える体を落ち着かせて
あたしはもう一度深く息を吸い込んだ。



そしてあたしは、ゆっくりと保健室の扉に手をかける。








「いたっ………………」



保健室から聞こえた声にあたしの動きはピタリと止まる。














< 154 / 355 >

この作品をシェア

pagetop