続・女好き彼氏
え?
さっき、教室の中から聞こえてきたのは
女の子の声。
とても高くて可愛らしい………女の子の声。
「ちょっと………我慢してろって……」
ドクンッ。
その声にもあたしの心臓は飛び跳ねる。
だって、さっきの声は悠雅の声だったから。
あたしは保健室の扉を掴んだまま
扉の方をじっと眺める。
高まる鼓動。
震える体。
中で何が起こっているのか
とても………とても怖いことを想像してしまう。
「だ、だって………」
恥ずかしがる女の子の声。
「バカ、手退けろよ」
ちょっとむっとしたときに出る悠雅の声。
なに?なに?なに?
なに、してるの?
想像したくないことを考えてしまう自分の頭。
嫌だ。考えたくない。
あたしは震えるてで自分の頭を抑える。
嫌なことを考えないように必死に頭を空っぽにしようとする。
だけど、それでも………
保健室の中から女の子と悠雅の声がして……
だめだ。このままじゃ…
自分がおかしくなってしまう。
あたしはそう思って
保健室の前から立ち去ろうと震える足を一歩後ろに動かした。
でも、そのとき
自分の頭の中に自分の心の声が響いた。